【成功事例】「地元で働く」ニーズを掴み、ドライバー採用を加速――求人媒体＋α　“WEB広告×自社採用ページ”の戦略

人手不足が深刻化する中でも、特に採用難度が高いのが「バス・タクシーなどの運転職」です。求職者の母集団が限られ、一般的な求人媒体では十分な応募を確保できない――。そんな課題に直面していたのが、関東地方に本社を置く大手バス会社様でした。同社は地域交通の中核を担う企業として、安定した雇用環境を整えていましたが、若年層を中心に「ドライバー職＝ハードな仕事」というイメージが根強く、求人広告だけでは応募数が伸び悩んでいました。

課題背景：求人媒体だけでは母集団が安定しない

一般的な求人媒体は“掲載を待つ”受け身の集客になりがちで、短期間に必要な応募を確保することが難しいケースがあります。特に地域密着型のドライバー採用では、「通勤可能圏で長く働きたい」と考える層に的確にリーチできるかが鍵となります。

施策概要：検索意図に基づく「地域×職種」ターゲティング

当社はまず、求職者の検索行動データを分析しました。その結果、「神奈川 バス運転手」「地元で働く」「未経験 運転手」など、地元志向・安定志向のキーワード群に高い需要が見られました。これを踏まえ、Google・Yahooの検索連動型広告（リスティング広告）を中心に設計。加えて、Googleディスプレイネットワーク（GDN）で地元ニュースサイトや通勤時間帯の閲覧層に広告を展開し、潜在層にも接触しました。

広告クリエイティブの方針

• 単なる「求人告知」ではなく、「地域を支える」「地元で長く働ける」といった社会的価値を訴求
• 未経験者向けの安心材料（研修・資格支援・安全体制）を明確化
• エリアを限定した配信で無駄クリックを削減、通勤可能圏の候補者に集中投下

自社採用ページの最適化：クリックを応募につなぐ“受け皿”づくり

広告効果を最大限に活かすには、遷移先である自社採用ページの改善が不可欠です。本施策では以下を実施しました。

情報設計とコンテンツ強化

• ドライバーの一日の仕事の流れを写真・タイムラインで紹介
• 安全研修や資格取得支援、キャリアパスなど育成環境を明示
• 社員インタビューで「地元で働く魅力」を具体的に可視化

応募導線とUI/UXの改善

• スマートフォン最適化、入力項目の最小化で離脱を抑制
• CTAボタンをファーストビューと各セクション末尾に配置
• よくある質問（給与・勤務時間・休日・免許取得支援）を折りたたみ表示で即解消

成果：応募単価を削減しつつ質の高い応募を確保

月間予算40万円の運用で、広告表示約700万回、クリック約8,000件、応募30件を獲得。求人媒体のみで運用した場合と比較しても、応募単価を約30％以上削減しながら、通勤可能圏・地元志向の応募比率が高まり、面接通過率も向上しました。

成功要因の考察：データ起点×能動接触

本施策の要諦は、検索意図に沿ったキーワード戦略と、地域・職種に最適化した広告在庫の活用です。求人媒体の枠に頼らず、検索エンジン上で“今まさに検討中”の層へ能動的に接触できたこと、そしてクリック後の自社採用ページを“応募に強い設計”へ刷新したことが、成果に直結しました。

リスティング広告の位置づけ：求人媒体＋αから“採用の主軸”へ

採用難職種では、検索広告・SNS広告・自社サイトを組み合わせた三位一体の運用が有効です。中でもリスティング広告は、需要の強いキーワードに予算を集中させることで、短期間で質の高い応募母集団を形成できます。また、自社採用ページをハブに置くことで、媒体依存を脱し、ブランドメッセージの一貫性を保ちながら長期的に資産化できます。

まとめ：地域密着企業こそ“自社採用サイト”を武器に

地域で人材を採用・育成していく企業にとって、自社採用サイトは「ブランド発信」と「応募導線」の中核です。求人媒体に頼らずとも、自社の魅力を自ら伝え、求職者の検索行動を起点にしたリスティング広告で訴求できれば、採用の主導権を握ることができます。ドライバー職をはじめ採用難職種であっても、デジタル広告の力を活用することで十分に成果は創出可能です。