気づきにくい「重複掲載」の判定基準

Indeedが定める重複掲載のルールは、多くの採用担当者が考えるよりも厳格です。一般的に、求人管理用の「仕事番号」などが異なっていれば別案件と捉えがちですが、Indeedでは「職種名」「勤務地」「給与」の3点が一致している場合、それらは重複した案件であると判断されると言われております。

例えば、ある営業職の求人を「東京本社」勤務で複数名募集する場合、管理上は別々の求人番号を振っていても、上記の3要素が同じであればシステム上はすべて「同じ求人」とみなされるのです。

この重複案件が一定数を超えて存在すると、Indeedのアルゴリズムによってスパム行為と判断され、ペナルティとしてアカウントが停止される可能性があります。

アカウント停止がもたらす深刻な影響

一度アカウントが停止されると、採用活動に甚大な支障をきたします。まず、停止されたアカウントを復旧させるためには、掲載していた求人が実際に存在するものであることを証明する全件分の資料（雇用契約書や募集要項など）を提出するよう求められる場合があります。

このプロセスには多大な労力と時間が必要となり、復旧までには1ヶ月程度の期間を要することも少なくありません。その間、Indeedからの応募は完全にストップしてしまい、採用計画に大きな遅れが生じることは避けられないでしょう。このような事態を未然に防ぎ、安定した運用を続けることが、今後の採用活動において極めて重要になります。

アカウント停止を回避するための具体的な運用対策

では、どのようにすれば重複掲載を防ぎ、アカウントの健全性を保つことができるのでしょうか。以下に4つの具体的な対策を挙げます。

1. 職種名の書き分けルールを徹底する

   最も重要な対策は、職種名のバリエーションを増やすことです。「営業職」といった画一的な名称ではなく、「未経験歓迎のルートセールス」「法人向けITソリューション営業」のように、ターゲットや業務内容に応じて具体的な表現に書き分けるルールを社内で徹底しましょう。これにより、求人の魅力が伝わりやすくなるという副次的な効果も期待できます。

2. 勤務地を可能な限り具体的に記載する

   勤務地の表記も重要なポイントです。「東京都千代田区」のような広範なエリアではなく、「東京都千代田区丸の内」のように、市区町村やそれ以下の地名まで具体的に記載することを心がけてください。これにより、システムが異なる勤務地として認識しやすくなるだけでなく、求職者にとっても通勤のイメージが湧きやすくなります。

3. 同一条件の案件は1つに絞る

   もし「職種名・勤務地・給与」が完全に一致する求人を複数掲載する必要がある場合は、リスク管理の観点から代表の1案件のみを掲載し、他は非掲載とする運用が安全です。掲載数が減ることで露出機会が減少し、応募効果が一時的に落ちる可能性はありますが、アカウント停止という最悪の事態を避けるためには有効な手段と言えます。

4. 生成AIの活用と、その注意点

   近年、職種名や求人票の作成に生成AIを活用する動きも出てきています。多様な職種名のアイデアを得る上で非常に有効なツールですが、一方で「ハルシネーション（もっともらしい嘘の情報を生成する現象）」のリスクも念頭に置く必要があります。AIが生成したテキストは必ず人間の目でチェックし、事実と異なる情報や不適切な表現が含まれていないかを確認するプロセスが不可欠です。

まとめ

Indeedを効果的に活用するためには、ただ求人を掲載するだけでなく、そのプラットフォームのルールを正しく理解し、遵守する姿勢が求められます。重複掲載によるアカウント停止は、採用活動における大きな機会損失に繋がります。今回ご紹介した対策を実践し、安定的かつ継続的な採用成果を目指していきましょう。

資料のご案内

当社お役立ち情報に関心を寄せてくださり、ありがとうございます。

当社の成功事例集をご用意しております。
ご希望の方は、以下ご入力をいただきますと、資料をお送りいたします。
お気軽にお問い合わせください。