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【最新】広報担当者が押さえるべき「メディア利用」の変化とは?
企業の広報活動において、「誰に」「どのメディアで」「どのような情報を」届けるかは永遠の課題です。しかし、生活者のメディア接触態度は年々変化しており、数年前の常識が通用しなくなっていることも少なくありません。
総務省情報通信政策研究所は、令和7年6月に「令和6年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」を公表しました 。本調査は、テレビ、インターネット、新聞、ラジオなどのメディア利用実態を継続的に把握する貴重なデータです。
今回はこの最新データを基に、広報担当者が今知っておくべき「年代別のメディア利用の変化」と、そこから導き出される「効果的なPR戦略のヒント」を解説します。
1. 「40代」がデジタルの分水嶺(ぶんすいれい)に。休日のネット利用がテレビを超える
これまでの広報戦略では、「若年層=ネット」「中高年層=テレビ・新聞」という大まかな区分けが一般的でした。しかし、最新のデータはその境界線が変化していることを示しています。
平日と休日で異なる「40代」の動き
今回の調査で特筆すべき点は、40代のメディア利用時間の逆転現象です。
全年代平均では、平日・休日ともに「インターネット利用」が最も長く、「テレビ(リアルタイム)視聴」がそれに続く傾向が継続しています 。しかし年代別に見ると、休日の40代において「インターネット」の平均利用時間が「テレビ(リアルタイム)」を初めて上回りました。
これは、企業の決裁権を持ち始め、消費の主役でもある40代(氷河期世代・団塊ジュニア世代含む)が、可処分時間の多い休日に「テレビよりもネット」を選んでいることを意味します。
【広報戦略へのヒント】
40代以上をターゲットとしたBtoB、BtoC商材であっても、休日の接触を狙うならWebメディアへの露出やSNS広告の重要性が増しています。「休日のテレビCMやパブリシティ」だけでなく、スマートフォンで接触できるデジタルコンテンツとのメディアミックスが不可欠です。
2. 「信頼できる情報源」はどこか? 年代で真っ二つに割れる信頼度
広報担当者にとって最も重要な指標の一つが「メディアの信頼度」です。自社のプレスリリースや不祥事対応のメッセージを、どの媒体に乗せれば生活者に「信じてもらえるか」は極めて重要です。
「いち早く知る」ネット、「信頼性を求める」テレビ
利用目的別のデータを見ると、「いち早く世の中のできごとや動きを知る」ためには、10代から50代までが「インターネット」を最も利用しています。速報性においてネットの優位性は揺るぎません。
一方で、「世の中のできごとや動きについて信頼できる情報を得る」ためのメディアとしては、年代によって明確な断絶が見られます。
10代~30代: 「インターネット」を最も信頼50代~70代: 「テレビ」を最も信頼
ここで注目すべきは、やはり40代です。40代は「テレビ」と「インターネット」が同率となっており、まさに過渡期の世代と言えます。
また、「メディアとしての信頼度」という観点では、全年代で「新聞」が59.9%と高い数値を誇りますが、30代および70代では「テレビ」への信頼が最も高くなっています。
【広報戦略へのヒント】
危機管理広報や企業のブランディングにおいて、ターゲット年代に合わせた「信頼の勝ち取り方」を変える必要があります。
- U-40向け: Webニュース、公式SNS、インフルエンサーを通じた発信が「信頼」に直結しやすい。
- Over-50向け: テレビ報道、新聞記事といった「第三者視点が入ったオールドメディア」への露出が依然として最強の信頼獲得手段だ。
ターゲットが幅広い場合は、Webでの速報と、テレビ・新聞での深掘り記事の両輪を回すハイブリッドなメディアリレーションズが求められます。
3. 「シニアはSNSを使わない」は誤り。60代のInstagram利用が急増
ソーシャルメディアの利用状況にも変化が起きています。「SNSは若者のもの」という認識は、もはや過去のものです。
全年代でLINEはインフラ化。Instagramは60代に浸透
ソーシャルメディア系サービスの利用率を見ると、「LINE」は全年代で90%を超え、70代でも71.8%が利用する生活インフラとなっています。
注目すべきは「Instagram」です。全年代での利用率は52.6%ですが、特に60代での利用率が前回調査と比較して大幅に増加しています。
一方で、「Facebook」の利用率は全年代で26.8%と横ばい傾向ですが、ビジネス層の多い30代・40代では約4割が利用しており、依然としてビジネス広報の場としては有効です。
【広報戦略へのヒント】
「シニア向け商品だからSNSは不要」という判断は機会損失につながります。アクティブシニア層へのアプローチとして、Instagramでのビジュアル訴求(旅行、健康、趣味など)は有効な手段になりつつあります。また、全年代にリーチしたい場合は、LINE公式アカウントやLINEニュースへの露出も検討すべきでしょう。
4. 動画メディアの定着と「ながら視聴」の常態化
動画コンテンツの影響力も無視できません。
動画共有サービスでは「YouTube」の利用率が全年代で80.8%に達し、10代から40代では90%を超えています。
また、テレビ(リアルタイム)視聴者の多くが、スマートフォンなどを同時に操作する「ながら視聴」を行っています。特にゴールデンタイム(19時~22時台)においては、テレビを見ながらインターネットを利用する「並行利用」の割合が高まっています。
【広報戦略へのヒント】
テレビで自社が取り上げられた際、視聴者はその場ですぐにスマートフォンで検索します。
- テレビ露出に合わせて、指名検索(社名や商品名での検索)の受け皿となるLP(ランディングページ)やWeb記事は整備されていますか?
- 放送内容を補完するようなYouTube動画やショート動画は用意できていますか?
「テレビを見て終わり」ではなく、「テレビをきっかけにスマートフォンで検索し、動画やWebで理解を深める」という動線を設計することが、現代の広報には求められています。
まとめ:データに基づく「メディアミックス」が広報の鍵
総務省の最新データから見えてきたのは、「デジタルの浸透が中高年層にも確実に広がっている」という現実と、「信頼を寄せるメディアは年代によって明確に異なる」という事実です。
広報担当者は、自社のターゲットが「どのメディアに時間を使い」「どのメディアを信頼しているか」を常にアップデートし続ける必要があります。
「若者=SNS」「シニア=新聞」といったステレオタイプに捕らわれず、今回のデータのような客観的な指標に基づいた、精度の高いメディア戦略を構築していきましょう。
【出典について】
本記事は、総務省情報通信政策研究所「令和6年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」に基づき作成・引用しています。
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